鍾 家新ゼミナール
ゼミについて
◆ ゼミナールの研究テーマ
「福祉医療」「老後死別」「貧困格差」の実態と政策に関する国際比較分析
◆ 研究内容
本ゼミナールでは、少子高齢化とグローバル化における「福祉医療」「老後死別」「貧困格差」など、現代人の生活・人生設計に密接な関係をもつ社会問題の実態・課題・対策について、国際的な視野のなかで、社会学の視点・手法から理論的、実証的研究を行う。
〈外書研究〉
Lewis A. Coser: Masters of Sociological Thoughtから抜粋した、現代社会学の基礎になっている代表的な社会学思想家の基本概念・主な考え方に関する内容を精読する。外書研究によって、英語の文献に慣れ、現代社会の分析と自己認識に役立つ社会学的思考法の基礎を習得する。
〈卒論・3年次〉
社会学の理論と応用分析を習得するため、教員が指定した『社会学』(長谷川公一ほか著、有斐閣)の教科書を毎回2~3人で分担して発表し、全員で質疑を行い討論する。
「福祉医療」「老後死別」「貧困格差」などの社会問題に対する関心の違いから、2~3人で一つのグループを作る。各グループは自由に探究したいテーマを設定し、制度政策的に分析し、あるいは社会調査によって研究する。たとえば、以下のようなテーマである。
「少子高齢化と年金保険・医療保険の改革」「現代家族にとっての介護の重圧」「地域の崩壊と老人の孤独・無縁死」「老いてゆく東アジアと社会福祉制度の改革」「現代人の身体観と拒食症・整形」「臓器移植と臓器売買」「日本と海外における安楽死と尊厳死の傾向」「日本人の死生観と終末医療・自己決定」「世界における貧富の格差と児童労働」「子ども・若者・高齢者の貧困」「先進国と後進国との格差」「日中における地域間の教育・医療の格差」「グローバル化における非正規労働者の増加と格差社会」「中国など東アジアにおける不平等とナショナリズムの高揚」など。
各グループにおける共同研究・研究発表によって、ゼミ生自身の資料収集の能力とプレゼンテーションの能力が高められる。ゼミで、自分の意見を分かりやすく発表し、ほかの人からの質疑に論理的に応答ができる能力は今後の仕事と生活のなかでも重要な能力である。ゼミ生の研究発表のとき、教員は文献・資料の読み方、聴き取り調査の方法、論文の書き方を中心に論文作成の方法に関して、詳細な指導を行う。
〈卒論・4年次〉
書きたいテーマを設定する。テーマに応じて、文献・資料を中心にして書くか、聴き取り調査など社会調査を中心にして書くかを指導する。
〈卒論論文例〉
「少子高齢化における年金保険の改革」「聴き取り調査からみる若者の年金意識」「介護保険の実態と課題」「聴き取り調査からみる老老介護の現状」「町内会・民生委員からみる地域福祉の実態」「豊かな日本社会と無縁死」「家庭の貧困と子どもの教育格差」「発展途上国における児童労働」「グローバル化における貧富格差と臓器売買」「現代人の整形の欲望とリスク」「働き方の多様化とフリーターの実態」「若者の労働観・結婚観・人生観の変化」「日本における外国人労働者の現状と課題」「中国の都市部と農村部との格差」「日本型社会的排除の背景とゆくえ」「アジアにおける格差と共同体の可能性」など